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2話「護衛の依頼」

必然は偶然


ぞくり。

背筋に走る寒気と共に、全身の毛が逆立ったかのような感覚を覚え

「な‥‥?」

ぼくは振り返る間もなく、何かに覆いかぶさられた。

「!!?」

「なにこれかっわいいいぃうぇっえ!!」

何事かと思ったが
直後に降ってきたのは拍子の抜ける黄色い声。

「わ?!」

え、人?

「やぁんもっふもふだしちぃさぃしふわっふわぁんんん」

「‥‥んー?」

どうしたものか。

モンスターではなかっただけ有り難いが
初対面?に対して随分な態度ではないだろうか?

ぼくは何かに押し潰されていた耳を外に出してから、出来るだけ大きな声を出した。

「あのう」

「ほぇ!?」

「モコはぬいぐるみではありません。とりあえず、はなしてくれますか?もこ」

「んのぁぅ!これは失礼しましたっす!」

ぼくが、慌ててぼくから離れた影を確認すると
それがオーガの女性であることがわかった。

オーガは頭と肩に角を持ち、腰から尻尾を生やした赤い肌の巨人族だ。
‥‥と言っても、身長は平均で2m前後なわけだが。

「モンスターじゃなくてよかったです。もこ」

「す、すみませんっす」

「モコに何かご用でしょうか?もこ」

ぼくがそう尋ねると、オーガの女性はびしっと敬礼する。

「は、はい!でもその前に自己紹介をさせて下さいっす!
用件を言う前に名乗るのは最低限の礼儀っす!」

なかなかよい心がけだ。
‥‥いきなり抱き着いてきた相手に言われてもな気もするが。

「自分はミリオラというっす!この辺りで地質調査をしてるっす!」

「地質‥‥?」

何かおかしなものが見つかったのだろうか?
ぼくはミリオラが座った前に向き合って座り、話を聞く体制に入った。

「はいっす!この辺り、骨のモンスターがでるっすけど
土の中からそういうものが出てきたって話は聞かないんっすよ。」

「え?」

骨が自然に湧いて出たというのか?

「それで、即効性のある毒が含まれているのかとか
本当に骨が埋まってないのかとかを調査してるっすよ! でも‥‥」

「でも?」

「自分一人で退屈だし夜は骨が出て怖いしで!!」

ミリオラが頭を抱えるのを見て、ぼくはなんとなく察する。

「もしかして‥‥淋しいのですか?もこ」

「うう‥‥その通りっす。見たところ、あなたは冒険者さんっぽいっすし
なんか何処かで見たことがあるっすし」

後者は多分、毎月発行されている漫才雑誌だ。

「確かにモコは冒険者ですね。もこ」

ミリオラの目がびんぞこ眼鏡の下で輝くのがなんとなく解る。

「‥‥わかりました。モコがミリオラさんの護衛を引き受けましょう!もこ」

「よっしゃもふもふゲットぉ!」

ミリオラは、そう叫びながらガッツポーズをとった。



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