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1話「獣の兄」




弟と生き別れてから、まるで火が消えたかのように静かになった。

無口とまではいかないが‥‥口数は減ったと思う。

大人たちも心配したが、何もできなかった。



あれから3年‥‥

「ロコが‥‥?」

ぼくは同い年の子供から、生き別れの弟の手紙をうけとった。

その手紙は数年前に書かれたもので、中にはこう書かれていた。

「おはようモコ。このてがみを見るころ、ロコはモコのとなりにはいないかもしれません。
ロコは少しみらいを見る力と、れんきんじゅつという
なにかとなにかを合わせてべつのものをつくる力があります。
この力はすごいですが人をきずつける力です。
だからぼくはきっとモコのとなりにはもうもどらないと思います。
これをよんだら村のひろばにある木のしたをほって下さい。
モコへのプラゼントをうめてあります。」

へなへなした字で、しかもプラゼントって‥‥
プレゼントはうれしいけれどプラゼントって‥‥。

ぼくは弟の意外な能力の告白に戸惑い、どうでもいいところを見ようとした。

「なんてあった?」

「モコに見つけてほしいものがあるそうです。もこ」

「いってみようよ」

「はい。」

ぼくはその子と広場へ行って、持ってきたシャベルで根本を掘った。
10cm位掘ったところで、何かにあたる。

「?」

そこには箱があった。

「持って帰ってあけよう!」

‥‥箱の中には、不格好な帽子が入っていた。

「ロコ‥‥」

ぼくは帽子を手にとると、走り出し
気がつくと弟と別れた森の中にいて、道に迷っていた。

「ロコ!!」

弟の名を呼ぶも返事はない。

辺りは薄暗く、前日の雨のせいで足をとられることも多かった。

ぼくは折り重なって編まれた草に足を引っ掛けてしまい
近くの崖から落ちてしまった。





‥‥‥‥

「ここまでが夢です。もこ」

「妙に細かいなあ‥‥」

ぼくには、目を覚ます前の記憶がない。

だから今話したことこそが自分の過去で、本来の姿なのだと気がつかない。





ぼくは誰かの笑顔をつくりに旅にでる。



作った笑顔を守ってくれる相方も見つかるといいけれど‥‥。


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