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1話「白」

世界に「純白」は存在しない

何故ならば

世界には「色」と「影」があるから

もしも「純白」が存在するのなら

それは‥‥

「無」の中だけ



沢山の色があった。

それは
私が知らない色と
私が知っている数少ない色。

まとわりつくように
やたらと重く
やたらと濡れていて
なかなか渇かない
変色していく
暗くも鮮やかな色。


私は
目の前で次第にその色に染まっていく色を、何故だか失いたくなかった。

私が私に覆いかぶさるように倒れる重たい色に触れると
その色は、また新しい色に包まれて消える。

私は‥‥その直後に私が消した色を狙った何かで命を落とした。



はず、だった。




‥‥‥‥‥‥

暗い‥‥

狭い‥‥

少し手を動かすと、冷たい何かに当たる。

コツっと鳴るかたい小さな音にも、もう慣れてしまった。

「‥‥ナギさん」

少しの息辛さに、声も思うように出せないこの状態にも。


ナギとは私がはじめて知った白以外の色であり、人の名前だ。

あの日私がはじめて見た色と同じなのに、まるで違う誰かの‥‥。


少しして、暗い空間に光が入る。

「お目覚めでしたか‥‥」

「‥‥‥‥」

抱き上げられて狭い空間から出た私は、大きく息をした。

今までいたのは、花が沢山詰められた棺桶と呼ばれる箱の中で
こうしてよくナギさんに閉じ込められている。

「私が目を離している間は、こうしていないと危なっかしいですからね」

ナギさんは私の頭を撫でながら言う。

まだ、私が無知だから仕方がないのかもしれないが‥‥。


私がナギさんと二度目?に会ったのは、赤い花が咲き乱れた小さな広場で
他には誰もいなくて、ナギさんは赤黒い色に塗(まみ)れていた。

ナギさんは私を見てとても驚いたような顔をして
すぐに泣き出して‥‥

私にはその頃、感情も言葉も知らなかったから‥‥ただ見ているだけだった。


ナギさんはプライベートコンシェルジュらしく
誰かのお世話をすることに長けていて
再会?のあと私は、いろいろなことを教えて貰って今に至る。

言葉を覚えたてで口数の少ない私は、じっと見つめることが多く
それがナギさんには少し辛いようだけれど‥‥。




私は覚えのない冒険の書を小脇に、巫女としての使命を果たしに旅に出る。





例え私が




存在自体がありえない存在だったのだとしても‥‥‥‥


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