上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
1話「死神の呼び名」

私の背にある翼では飛べない

私の翼は白い色をしているが

どうも他人には良い白ではないらしい

私は翼を背負い 槍を振るい

その姿から「つばさのきし」とよばれるようになった。

だけど 私には他にも異名があった

それは「白い死神の子」



私は「つばさのきし」と名乗るようになるまで
どこか自分を知らない土地へ行きたいと願うことが多かった。

私は生まれた集落で「死神の子」と陰口を叩かれていたからだ。

そう呼ばれるようになったきっかけは母親にあった。

私と弟の母親はヒューマンタイプの天空人で、その中でも魂を扱うことを得意としていた。

勿論そのことは隠して生活をしていたはずなのだが
母を勘繰った誰かの陰謀によってそれが暴かれてしまい、
私達は母と子二人で集落の外れで静かに暮らすことを強いられていた。

父親がものごころついた時には居なかったから、
姉の私が父親がわりを努めていて
女の子らしさからはかなり掛け離れた行動をしていた。
でも集落の女の子たちが羨ましいとか思ったことはないし、そんな余裕もなかった。

生活はただでさえ楽じゃなかったのに、
母親も病気で弟が4つになる前に亡くなってしまったのと
私が、母の死と同時に母の仕事も引き継ぐことになってしまったからだ。

死者の魂を
安全に
正確に
天へと届ける

理解できる誰かがいないなら、その間は褒められた仕事ではないらしいし
これで食べて行けるのかと聞かれると‥‥
魂を届けた日は少し漁の成果が良くなるくらいか。

そんな何の意味があるのかわからない、何処の誰かもわからない魂を天に届ける時
私は槍を振るい、その度に目や髪の色が少しずつ変わっていった。

私が死んだのは、ちょうど目と髪の色が変わりきった頃で
私は別の誰かに魂を掬われ、すぐに天ではない何処かへと送り出されてしまった。


目を覚ました時
すぐに、今いるのが知らない土地だと理解できた。

誰も私を知らない。

私も誰も知らない。


チャンスなのかはわからなかったし、
何故そんなことになったのかもわからないけれど‥‥
私は誘われるように冒険者となって「つばさのきし」と呼ばれるようになった。








私の旅の目的は「弟を探すこと」



あの日に消えた弟は、きっと生きているはずだから。




関連記事
スポンサーサイト
Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。