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0話「商人の子パート導入」



いつか、義父さんを越える商人になってみせます!

それが口癖だった。

少年には二つ年上の姉がいて、小さな頃に両親を亡くして
住む家も食べ物もなくさ迷っていたところを一人の商人に拾われ、
現在に至る。

あまりにも小さな頃だったから、馬車がゆりかご代わりになっていた。

ガタゴトと揺れる馬車の振動がゆりかご代わりというのはにわかに信じ難いかも知れないが
これが慣れれば癖になり、心地好いとさえ思うようになるらしい。


今は少年も12になって、朝に姉とそろばんを弾いて競い合うのが恒例になっていた。

これで、一日の売上の計算をするのはどちらかを決めるのである。

そうやって二人のぱちぱちと玉を弾く音は、商人の心をくすぐっていた。


三人の生活は決して裕福ではなかったが、満たされてはいたと思う。

‥‥山賊に襲われるまでは。



ある日、いつものように二人がそろばんを弾いていると
突然馬車が大きく傾いた。

バランスを取るのは慣れていた二人は馬車の荷台で転がりさえしなかったが
突然の出来事に対応はできなかった。

「二人とも、逃げなさい!」

商人の声が二人に届くのとほぼ同時に、荷台に誰かが乗り込んでくる。
二人にはかなり大柄の男に見えるそれは、ギラギラと嫌な輝きを放つ曲刀を手に持っていた。

「!!」

戦う手段を持たない二人は容赦なく切り捨てられ

商人も別の賊に切り捨てられ

あとに旅人に発見されたのは






商人の遺体だけだったという。







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