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○第二章第十五話「ミゼルとユミル 後編」


やっと合流だー!








「うわぁ、あぶねぇ!!」

「な、なにこれ‥‥」

キケとセナが見たのは、凡そ10m先まで崩れた通路だった。

一体何が起こったのかは判らない。

だが、その先を見ると、エミルが走っていくのが見えた。

恐らく、この先に何かがあるのだろう。

崩れた通路の瓦礫を覗き込むと、人間の手足が出ているのが見えることから
先に侵入していた誰かと戦闘を行ったのだろうということがす推測できた。

「この先が怪しいってことだよな?」

「でも、どうやって行くのよ?リーダー、完璧な指示を頂戴」

「‥‥んー‥‥」

セナに言われて、辺りを見回したキケは、何かを思いついたように手を叩いた。

「PLCから支給されたアレ、セナが持ってたよな?」

「槍のこと?」

「そう、それ!これにロープを括り付けて‥‥よし、行くぜ!!」

キケは思い切り槍を投げ飛ばす。

槍は緩やかな弧を描いて、向こう岸にある壊れた扉の縁(へり)に突き刺さった。

何度か引っ張って、取れないことを確認するキケ。

「おし、飛ぶぞ!」

「ちょっと待って、一人ずつしか行けないわよね?」

「なーに。向こうついたらこれ(ロープの端)投げてやっから。」

セナは不満そうな顔をして

「いえ、私が最初に行くわ。記録係をナメちゃダメよ?」

「俺のことが信じられないと!!」

「じゃあ一緒に飛んでよ? リーダーなんだからそれ位何とかできるでしょ?」

「んぐむむむむむ‥‥!!」

キケはセナをここに置いていくつもりだったので
そう来るとは‥‥と、思っていた。

「あれ折れても知らねぇからな!」

「いいから行くの!」

セナはぴったりとキケにくっつくと、キケは少しの助走をつけて跳んだ。

この時、ふと思いついて「浮遊」を発動させる。

こうすれば重力を少々無視できるからだった。

2人が向こう岸に着いたと同時に、バキッと音がして槍は折れてしまった。

「っぶねぇ!!」

「折れたわ」

「無事に着いたんだからそこは目ぇ瞑れ!!」

「支給品を粗末にするなんて、反逆者ね!」

「直せばいいんだろ?!Σそう睨むなって」

キケは慌ててジャンプすると、刺さったまま残った部分を抜き取り
工具箱を取り出して修理を始めた。

この時、ZAPの機会を逃したと、セナが舌打ちしたのは言うまでもない。



――――――――――――――――――――――――――――――

「さー、私の勝ちですよう!」

「まー、よくも逃げ切ったねー♪すごいすごい♪」

「で、情報ってなんですかっ?早く下さいよー!」

「まーまー、そう焦らないでっ」

トレッキーの鬼ごっこは、アガシャの勝利に終わった。

時々危険だったのは秘密だが‥‥(笑)

「はいこれっ。此処に潜伏してる人たちの情報と、囚われてる人の情報ね」

「わ、ありがとうございます~!!」

アガシャは、端末にダウンロードさせてもらった情報を確認し
直後、凍った。

「‥‥へ?」

「‥‥びっくりでしょ?」

「これ‥‥え?どうして‥‥? 外からの人たちが相手なんですか!!??」

「うん。しかも全員上位SCと来た。」

「そんなぁ‥‥あと、囚われてるのって1人‥‥ですか?」

「だよ。 どうして?」

「依頼内容では、2人って」

「‥‥え?」

「‥‥ええ??」

1人は既に逃げたのか、或いは‥‥

2人の中に、不安が過ぎった。



――――――――――――――――――――――――――――――

「あ、居た居た。おーい、ソーニャー!!」

「あ、エリダさん!」

間一髪で無事だったソーニャと、エリダが合流した。

「探したぜぇ? 無事だったかい?」

「はい。なんとか‥‥突然、天井が崩れて来て焦りましたけど‥‥」

「そうかい。ま、無事ならいいんだ。 それよりさっ」

「?」

「アタイ、腹減って腹減って仕方ないんだ。なんか食べモンない?」

エリダはそういうと、にへへと笑う。

それを見たソーニャは、くすっと笑って鞄の中をあさりだした。

「ありますよ。Q0のトラブルシューター向け特製弁当です!」

「お、待ってましたー♪」

「エリダさんなら食べるのも早いですし、問題ないと思います。」

「うんうん、腹が減ってはなんとやらっていうし♪」

エリダはソーニャからお弁当と水筒を受け取ると
すぐにバクバクと食べ始めた。

その食べっぷりを見て、少し安心したような表情になるソーニャ。

本当は、一秒も早く助けに行きたいけれど‥‥。

「うん、ウマイ! ウマイよ! やっぱQ0の弁当はいいねぇ」

「ありがとうございます。」

「こうやってちゃんと色を考慮してくれてる所が。っんぐ」

「色々な食材を使っていますから、体にもいいですよ」

「トラブルシューターやってて良かったよ」

「ふふ。」

エリダは一分と掛からずにお弁当を綺麗に平らげた。
ご飯粒、野菜かす1つ残されていない。

「よし、行くか。 その崩れたトコってのは?」

「向こうです。 恐らく、すぐ上で戦闘があったものと思われます‥‥。」

「ふうん。じゃ、そっちが正解の道の可能性が高いってことだよな。」

「そう、ですかね?」

「そーに決まってるんだよ、こんな時の相場ってのは!」

エリダは上機嫌に言いながら、ソーニャの手を引いてその方へと向かった。



――――――――――――――――――――――――――――――

「さあ、観念なさい!」

「あらあら、もう来たの?」

現れたエミルを前に、面倒くさそうに反応するチェック。

その足元には、血だらけになったミゼル(まだ形態変化は解けてない)が
横たわっていた。‥‥まだ息はあるらしい。

「もう‥‥?トラブルシューターは別に来ていますよ。」

「ああってことはキミは単独?まーいいけど。ヒューマ、対応してあげてよ?」

「ん。」

上位SCの相手を1人でしろというのも酷な話だが
今の状況では仕方が無い。

ヒューマは巨大な体に合わない素早さでエミルに攻撃を仕掛けに行った。

「遅いです! その程度で私に勝てると思わないで下さい?」

エミルはそういってヒューマを真っ二つに斬った

‥‥ハズだった。

全く手応えが無かったことに驚いたエミルは、咄嗟に振り向いて剣を構えた。
直後のその剣に巨大な斧の刃がぶつかり、酷く鈍い大きな音が鳴り響いた。

「分身を一瞬で読むとは‥‥」

「分身、ですって‥‥?」

「おねーさん。οにはダミードールってのがあるんだよ。
 こんなど田舎コンプレックスには数百年早い技術だろーけどね?」

「くっ」

「上位SCなら持ってて当然。でも、ちゃんと使わないと意味ないけどねー。
 そこんとこ、ヒューマはちゃんと使えて偉いよ。」

ヒューマはチェックの言葉など聞いていないが
そんなことはお構いなしだ。

それに、チェックもヒューマにわざわざそんな言葉を聞かせようとも思っていない。

これは、エミルの心をかき乱すためだけの台詞だからで
彼の右足は足元のミゼルの背中を、しっかりと踏みつけていた。

「で、おねーさんはどうして此処に来たのかなー。」

「弟を返して貰うわ!!」

「あーーー」

「‥‥?」

「じゃ、情報頂戴よ。そしたらクローン減らさないで返してあげるからさ。」

「何を‥‥ まさか!」

話しながらの戦闘の為、エミルはこの間の装甲を幾つか壊されていたが
怪我は今の所無い。

「この姿の、本物。 副社長さんだっけ? あの人が今何処にいるか‥‥知らない?」

「‥‥何が狙い‥‥!」

「旧世界人だから欲しい。ただそれだけだよ?」

「旧世界人ですって?」

「やっぱιはど田舎だなぁー。そんなことも知らないなんてさ」

チェックも最近知った話だが、そんなことはどうでもいいらしい。

本来ならば、市民には絶対に公開されない情報なのだから。

チェックは、ミゼルを拾い上げると能力を発動させ
自分の重力のみを反転させて天井に降りた。
(ミゼルの重力はそのままなので、逆さまにされてるような状態)

「で、どーすんの? 教えるの?教えないの? この人ずっと黙ってるからさー」

「‥‥!!??」

はじめて見る能力を前に、エミルは戸惑った。

「教えないなら落としちゃうよー。首の骨折れるよー。即死だよー?」

「ま、待って!!」

「ほーれほーれ。こうしてる内にも血が頭にのぼるし、出血も酷くなるよ?」

チェックの言うとおり、ミゼルに付いた傷からは血が流れ出ていて
今まで足元だったハズの所には、既に小さな血溜まりが出来ていた。

「う、ぐ‥‥副社長さんは‥‥」

「姉‥‥上‥‥ 言‥‥う‥‥な‥‥」

「ミゼル!!」

「‥‥反吐が出るくらい美しい姉弟愛だねー。それより後ろ気をつけないと?」

「!」

表現するのも嫌な音がした。

「‥‥首、落とされるよーって言おうとしたのにー。」

そこへ、トラブルシューターたちがたどり着いた。

「きゃあああああああ!!!」

目の前に広がる惨状を前に
ソーニャの叫び声が部屋に響く。

「V様が‥‥やられ‥‥た‥‥だと‥‥!?」

腰が引けるキケ。

槍を直してもらったセナも、後ずさりをしていた。

アガシャは敵の情報を貰っていたので
たどり着くのが遅かった‥‥と言わんばかりの顔をしている。

唯一平気そうだったのは、エリダだった。

「やーエリダ。 お勤めごくろーさま。 トラブルシューターと2人の情報助かったよ。」

「どーも。本物の情報は得られなかったけどねぇ?」

全員の視線が、エリダに向いた。






※気が向いたら挿絵、後で挿入します。
※フィクションです!フィクションです!くしゃみの効果音ではありません(
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