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○第二章第七話「οコンプレックスからの刺客 後編」

どうもー。
οから奴らが来ました。
どうやら2人はニイナも探しているようですが‥‥??








「面白みも何もないトコだねー」

「刺激が欲しいならαに行った方が早いぞ」

「そーゆー刺激じゃないんだけどなぁ?」

2人の歩く姿は、実に奇妙だった。
他に歩く者が、2人を避けて(距離を置いて)通っていた所為というのもあるが。

「あの大砲女、居るとしたら何処だと思う?」

「他のコンプレックスの情報を簡単に引き出せるような奴の居る所なんて
 そんなにないんじゃないのか?」

「そりゃ、αではそうだったと思うよ?今はどーかなぁ?
 こんなに遅れてる所、ボクなら色々好きに変えちゃいたいって思うなぁ」

堂々としていい話題では勿論無い。
しかし2人は、何も気にはしていなかった。

「奴はコミーなのか?」

「反逆者って意味では間違ってないかもねー?」

「むむむ‥‥」

「職場なら武装集団でしょ。あんな武器持って他のトコ行けないしさ」

「そうか。俺は結社の方で考えていたな。」

「キミらしーね。 じゃ、結社だったら何処だと思う?」

「‥‥‥‥」

目を見合わせる2人。

「「パージ」」

2人の呟きは重なり、不適な笑みへと変わった。



---------------------



「いらっしゃいませ~」

喫茶では、いつもと変わりの無い日常が流れていました。

でも、私はトレッキーの一行を個室へと案内して
その対応をしていたから、そう感じていたのかもしれません。
部屋の外では、ちょっとした事件が起きていたのですから。

それに気が付いたのは、トレッキーが帰ってからでした。

真っ青な顔をしたアリエッタが、私の所に来たのです。

「どうしたのですか?アリエッタ」

「別の支店から連絡があって、変な3人組がこの喫茶の従業員の
 ある人を探しているって言うんですけど、その内容がおかしいんです!」

「おかしい‥‥?」

「ここの従業員は全員、エナジーフィールドの札持ちなのはご存知ですよね?」

「はい‥‥」

「形態変化と未来予知だって言って聞かなくて‥‥
 2つも能力を持っているなんて、サイオンだけですし‥‥。」

「! ちょ、ちょっと待って下さい」

私は、突然のことに話を頭の中で整理するのが大変でした。

とりあえず、別の支店にまず来て、そこから此処へ連絡が回って
全部の店をその3人組が回っている‥‥ということだけ理解しました。

「その3人組の特徴は?」

「それが‥‥全員藍色のスーツに身を包んでいたと」

「SCはIですか‥‥」

「あの、心当たりありませんか?」

心当たりと言うか、形態変化とかいう時点で私しか居ない気がしますが
この支店の用心棒の1人が形態変化と未来予知の能力持ちで
容姿も中性的だったような気がします。

「うーん‥‥ここの制服は外には持ち出せませんし‥‥」

用心棒に貸し出しているものですらそうなのですから‥‥
どうしたものか、と悩んでいる間に来客です。

その3人組が、この店へも姿を現してしまいました。

「この喫茶の何処かに、2つの能力をもつ反逆者が居るとの情報が入った。
 速やかにその反逆者を引き渡せ!」

随分と荒っぽい人たちみたいです。

影からそっと覗くと、彼らはCPU腕章をつけていました。

「‥‥CPU‥‥? いや‥‥」

でも、ιのCPUの制服とは若干異なる部分があったのです。
というのも、よく青年の制服を見ていたからと言うのもあります。

「申し訳ありませんが、当店にはそのような者は居りません」

私は影から出て、対応に当たりました。
この支店の店長として‥‥です。

「V様。失礼ですが、これはCPUの仕事です。反逆者を隠すようなことがあれば‥‥」

「ιのCPUの制服は、上から下まで全てセットで支給されています。
 いかなる理由があっても、着崩すことを許されていないはずですね?」

「何‥‥? そんな規定は‥‥」

「それに‥‥」

舐めるように3人の服を見つめます。
何処を通ってきたのか知りませんが、ところどころに汚れがありました。

「完璧で幸福である市民の代表達ともあろうCPUの貴方がたが
 清潔ではないように見えるのですが? ここにキットがありますから
 清潔チェックを行っても構いませんか?この店に入ったからには
 まず、この清潔チェックを受けなければならないという決まりがあります。」

「私達はCPUだぞ!」

「そのCPUの副社長もしっかりとチェックを受けて此処を通ります。
 それでも貴方がたはそれを受けないと言うのですか?」

「副‥‥社長‥‥?」

「はい。」

「こんな店に来るはずが」

と、何とか食い下がろうとする3人組に後ろに
小さな影が現れました。

「こんにちは。何の騒ぎですか?」

「いらっしゃいませ、青年。」

「こんにちは。 ‥‥入店しても構わないかな?」

「どうぞ。 まず、清潔チェックを行って下さい。 腕を出して」

本当はチェックなんて行っていません。
でも、青年は何かを察したように、マントを後ろに流して
中の服を露わにしました。

‥‥本物のιのCPU制服です。

青年は腕章の無い方の袖をまくると、アリエッタから清潔チェックを受け
すんなりと合格すると、くるりと3人の方を振り返ります。

「あれ‥‥?」

3人は、目の前にいる本物のιのCPUのVを前に凍り付いています。

「貴方達、本社の方ではないですね?どこの人ですか?」

「だ‥‥第一支部です‥‥」

「‥‥へえ‥‥」

あきれたような目をして、3人を見つめた後、青年が私の方を見ます。
多分、許可を求めているのでしょう。

私は小さく頷いて、壁を軽くコンッと叩きました。

次の瞬間、店内(壁や調度品が傷つかないように)と客席に
従業員と一部の用心棒たちのエナジーフィールドが満遍なく展開されます。
出入り口にも張られたため、3人は身動きすら取れなくなりました。

「なっ‥‥!!」

「基本的なこともリサーチせず、清潔でもない。
 CPUに扮し、営業妨害をする‥‥一体何処の馬の骨でしょうね」

そして真っ直ぐに3人を指差し

「この反逆者の抹消をお願い致します。
 僕はCPUですが、この店内での戦闘権利はありませんので。」

「御意!」

青年の言葉に反応して飛び出してきたのは、この3人が探している能力を持つ用心棒でした。
(彼は形態変化に札をつけているようです。)
3人の行動を読み、確実にエナジーソードを当てて消滅させました。

「お見事です。」

青年が小さく微笑むと、対応した用心棒も小さく笑い返しました。
同じサイオンなので、顔見知りなのでしょう。

「副社長さん、詳しいお話を聞かせて下さいますね?」

「‥‥勿論。」

因みに、ιのCPUには本社しかありません。



---------------------



「はぁー、あん時はホンマにビックリしたわあ。」

パージの支部で、まるで笑い話でもするかのように話すニイナ。

それを冷たい眼差しで見つめるのは、アイーシャだ。

「元はと言えば、お前が失敗したのが原因だと気が付いているわよね?」

「カンニンナ。」

「謝れば済む事かしら。まあ、CPUにとっても
 あのV様が重要であるということが判っただけ良しとしておくわ。」

「そう言って貰えると助かるわあ。」

相変わらずの態度だな、と言いたげなアイーシャは
武器の手入れを終えて立ち上がる。

「もう出るん?」

「貴女も仕事に戻りなさい。武装集団はコミーを消してこその職場よ。」

「それもそうやな。ほな、ウチも行くわ」

ニイナも、話しながら武器の手入れをしていたらしく
ピカピカに磨かれた後の愛用の携帯式ロケットランチャーを肩に担いだ。

軍服のような服装の上には、装てん用の弾が大量に巻きついている。
昔と比べて、軽量化が進んだロケットランチャー(4.5kg)だが
その本体の大きさから、再装てん用の弾も他人から見える所にあったりする。

因みにコレの見た目はパンツァーシュレックによく似ていて
盾が付いている(取り外し可能)為、背を低くして撃つ時は
この盾の後ろにすっぽりと隠れる形になる。

当然、立ちながら撃ったって構わないわけだが、反動が酷い。

1弾ずつの装てんが必要なので
大抵の人は2発目を撃つまでに相手の攻撃を許してしまうが
ニイナはその扱いに長けており、1弾目を発射した後
3秒程度で再装てんして、6秒以内には次を撃てていたので
その技術は、銃の名手であるアイーシャも認めていた。

2人が外に出た後、ニイナの仕事は案外すぐ近くに転がっていた。

車に荷を積み込んでいたSCがY市民に、突然火がついたのだ。

「熱っあつつつつ!!!」

車や荷が自然発火するならまだしも
人間が自然発火することはまずありえない。

爆発するなら、コープ・メタリカ所属の人間ということでありうるのだが。

Y市民が火を消そうと地面を転がるも、火の勢いは強まるばかり。
ニイナが水をぶっかけた頃には、既にY市民は炭になっていた。

「この中にY様を亡き者にしたコミーがおるみたいやな?」

どうせトラブルシューターの仕業なのだろうけれど。
そんな風に思いながら挑発的な態度をとるニイナを
影から見つめる人物が居た。

結局、ニイナはその辺りにいたIRとR、計18名に穴を開け
クローンが転送されてきたY市民に仇をとったことを報告すると
その場を後にし、影から見つめていた人物と対峙することになった。



「‥‥ん?なんやなんや?」

「やっほー、覚えてる?大砲女。」

「まさか、ウチがベッピンやからって、そんな手つこて‥‥やたら古いナンパやな!」

「違っ! もー、とぼけないでくれるかなー?」

あの2人が、ニイナとの接触に成功したのだ。

怒る小柄な男を見て、ニヤニヤと笑うニイナ。

「アンタらもιに移住してきたん?」

「まさか。こんなド田舎、ボクの納まる所じゃないね。」

「てことは、密偵やな?」

ニイナは、愛用の武器を二人へと向けた。

「そういうトコだけど、まず話を聞いて。 ボクは君を知っていると思うんだけど?」

「は?どういうことや?」

「地上で会った時、ボクに対して本気出してなかったよね?」

「‥‥それは、あんな狭いトコで本気で暴れてみ?大変なことになるやん」

「トラブルシューターならそれで通るかも知れないけど、ボクたちには通用しないよ?」

「‥‥‥‥。」

「キミ、昔οのサイオンに居たよね?」

「‥‥‥‥。」

「不思議な能力の持ち主だった。でも、いつの間にかαへ移住してた。」

「‥‥‥‥。」

「確か、名前は‥‥」

小柄な男が言いかけた瞬間
ニイナは小柄な男の足元に弾を打ち込んだ。

間一髪で回避行動に出た小柄な男だが、それでも片足を失っていた。

「それ以上は言わせへん。今この能力を手放すわけにはいかへんのや」

「‥‥新しい能力が開花したんだね?」

「開花、というより‥‥別のものに変化したって方が適当やな?
 あんさんも、元持ってた能力と違う能力になっとるやん。それと同じや」

「ふうん。 そっか、名前を言うとその姿が元に戻るってことね。」

「そうや。」

「で、その姿では何が出来るわけ?」

「色々なモンが読めるで」

「いろいろな物‥‥?」

「何処の誰が何をしてくるか、何をしようとしているか
 対象のHPとMPも、全部見えるんや。不思議やろ?」

ニイナのその言葉に、大きく目を見開く小柄な男。

「もしかして、それって戦闘でも有利?」

「当然や。こんな便利なもん、他にあるか判れへん。」

「‥‥そっか。じゃぁあの形態変化も‥‥」

「うん。ウチが使えるのよりも、ずっと精度高いの使えるわな。」

「嫌だなあ、ますます興味沸いて来た。」

「あと、あれは形態変化とちゃう。」

「え?」

「ウチの能力が変化する前につこてた‥‥ソウル・リンクや」

「ソウル・リンク‥‥」

「こっちではそういう名称らしいわ。」

「へえ‥‥」

いつの間にか、大柄な男の方の姿はなかった。

恐らく、さっきのニイナの攻撃で消滅してしまったのだろう。

οから来た彼らのクローンは
οで復活するため、ここには運ばれてこない。

「オッケー。今日はこの位にしておくよ。なーんか後の3人もヘマしたみたいだしさ」

「また来てもええけど、ウチとは関わらんでな?」

「それはどーかな。そんなにいい能力手に入れたんなら、οに戻っておいでよ?」

「‥‥考えとくわ。」





※気が向いたら挿絵、後で挿入します。
※フィクションです!フィクションです!くしゃみの効果音ではありません(
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