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○第二章第三話「苦笑いの裏に 後編」

どうもー。
この世界で支給される野菜や調味料ですが
現代で作られた物と同じ香りも臭いもしません。

というのも‥‥
これらも大体データから作られた物なので
一部の作物には味もありません。

だから地上から持ち込んで、栽培するんです。







「ウィン様」

突然声を掛けられたので振り返ると、そこには妹さんが居ました。
その後ろには数名のR市民が居ます。

「おお‥‥市民旅歌、いらっしゃいませ。」

「こんにちは。席は空いてますかしら?」

「‥‥うん、ありますよ。そちらの方々と一緒の席で良いのですよね?」

「はい。今日はチームで打ち上げに来ましたわ♪」

「そうでしたか、依頼がうまくいったのですね。流石は完璧で幸福なトラブルシューターです」

「有難うございます。」

私は妹さんたちトラブルシューターを4人席へと誘導して注文をとります。
とはいえ、R市民なので赤いものか黒いものしか飲食できないので
全員アセロラジュースと、イカ墨パスタになりました。

「では、できるまで少々お時間いただきますね。ごゆっくり」

「はい」

妹さんが新しく配属されたトラブルシューターのチームは
以前のチームよりもまだマシな感じでした。

少なくとも、ラナっぽい子は居ないようで何よりです。

ジュースを用意している間に、彼女たちの話が聞こえてきます。
話の内容は、依頼の反省会と、あの噂のことでした。

反省会は正直、デブリーフィングでやっている筈なのでいいとも思うのですが
依頼人を除いてもやりたかったのでしょう。
熱心でいいことだと思います。

この話題には、妹さんも積極的に食いついていました。

何気に単独行動の多いチームのようで、
全員が言い訳したり謝ったりでしたが、それはそれで平和的な気もします。

その内の1人に対しての「汗臭い」という謎の指摘には
「汗をかけるってのは健康な証拠なんだぜ?」と真顔で答えていて
確かにと頷くメンバーも居れば、苦笑するメンバーも居ました。

妹さんは、確かにそうねといいつつも、笑いを堪えていました。
確かに尤もなことなのですが、真顔で言われたら笑う気がします。

そして、ふと‥‥
(どこかで、聞いたことがあるような‥‥)
でも、なんだったかは、思い出せませんでした。


噂の話に切り替わったとたん、妹さんが黙り込みます。

口を開いたら、何を言ってしまうか怖かったのもあったのでしょう。

私は助け舟を出すつもりで注文されていない品を即興でつくり
イカ墨パスタが無くなった頃を見計らって持っていきました。

「依頼成功を祝って当店からのプレゼントです。」

チョコで色づけしたミニアイスと
ノンカフェインで有名(?)な、たんぽぽコーヒーです。

「わあ、いいんですか?!」

「うれしい!私、甘いものに目が無いんですよ!」

「これ、甘さはどんな感じですか?」

「甘いものが好きな人も、苦手な人も食べられるように調整しましたよ。
 どうしてもダメそうなら、こちらの飲み物に溶かすのもいいですよ。」

妹さんは、ホッとしたような表情で私を見て
品物を受け取り、全員に配りました。

「依頼が成功して、全員が無事に帰って来たら、また此処をご利用下さいね。」



仕事が終わった後は、聖騎士4名が集まって装備点検と訓練です。

「あの、ウィン様‥‥」

妹さん‥‥この服の時はコーレアですが、彼女が話しかけてきました。

「? どうしましたか、コーレアさん。あと、私は今はリンクスです。」

「そ、そうでしたわ。リンクス様」

「今は同じクラスなので、様はいいですよ。」

「う‥‥で、では、リンクス‥‥さん」

「はい。どうしましたか、コーレアさん」

「私、聖騎士になってから、少し‥‥」

歯切れの悪いコーレア。
言いたいことは、なんとなく判ります。

私だって、分不相応だと思っていますし、口を滑らせてしまうかもしれません。

「そうですね‥‥色々大変なこともあります。
 それに、聖騎士として動く時は、普段以上に大変な任務になるでしょう。
 それによって、他のメンバーよりも早く成長してしまい
 変に思われることもあるかも知れません。ですが‥‥」

「‥‥‥‥。」

「ここの市民はみんな、完璧で幸福でなければならないのでしょう?
 ならば、次の依頼に備えて訓練したり予習復習したりするのは
 寧ろ完璧な市民としてのお手本であると、言い切れると思うです。」

「お、お手本、ですか?私が?」

「はい。お手本です。他の人たちもトラブルシューターになって浅いようですし
 他の人たちにも自主練‥‥おっと、自主訓練をオススメしてみたりしては?」

「なるほど‥‥?」

「居づらいでしょうし、言いづらいかもしれませんが‥‥
 それがコーレアさんに与えられた、任務の1つだと思って見て下さい。」

「‥‥そうですわね。有難うございます。」

すぐにそうできるか‥‥と聞かれたら、当然無理でしょう。

でも、それでいいのです。

例えこの世界が、完璧で幸福でなければならなくても
失敗をしなければ完璧に近くなることなんてできません。

それに、偶然は避けられないものです。

もしも、本当に意味で全員が完璧で幸福であったのならば




世界に、意思も感情も、存在していないと、私は思います。




※気が向いたら挿絵、後で挿入します。
※フィクションです!フィクションです!くしゃみの効果音ではありません(
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