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○第二章第三話「苦笑いの裏に 前編」

どうもー。
へんな噂のお陰で、普段の生活に微妙に支障が出ています。

聖騎士のことをちゃんと知っているのはウィキペディアンと
コンピューター・フリーク、プロ・テック位なものなので
彼らと話す時もどう反応したらいいのかどうか‥‥。

ウィキペディアンにはもう遠慮することはないのですが(笑)







個室を借りず、カウンター席に座るウィキペディアンのリーダー
名前はミゲイルだそうです。

「調子はどーお?」

ただ単に興味があるだけのような笑みを浮かべて
声のボリュームも普段通りの質問。

普通に聞けば、商売のこととか、トラブルシューターの仕事の話に聞こえるコレも
今回はそうではないというのが、私にはすぐに判ってしまうのが悲しいところです。

まあ、他の人にも判るように聞いてこない所だけは救いなのですが。

「お陰さまで、順調ですよ。」

私はそう答えながら、ミゲイルの空いたコップにジャスミンティーを注ぎます。
ここでは、水の代わりにこれを出しているのです。

「そう♪それは良かったわぁ~」

「そちらはいかがですか?」

「ワタシ?もう、バリバリよ♪」

「そうですか。」

何がバリバリなのか、(恐らくCPUでの仕事のことなのでしょうが)
深くは聞かないのが個室でない時のルールです。
それに、私の専属はサイオンなので、ウィキペディアンについては聞けません。

「にしても、最近ヒドイわねえ。」

「何がでしょう?」

「変な噂の話よっ。一体、何処からどうなったらああなるのか、理解に苦しむわあ。」

「‥‥同感です。」

「そうよね、そうよね、そう思うわよねっ」

話しながら、ミゲイルの注文したシーザーサラダをそっと前に置くと
ミゲイルは優雅な手つきでフォークを手に取り
上品にサラダを食べ始めました。

「ありがと。流石に美味しいわねぇ」

「有難うございます。野菜は全て、店員たちが自家栽培したものを使用しています。」

「あら、そうなの?支給品は使っていないのねぇ」

「支給品は自宅で作る時にのみ使用している感じでしょうか。」

「なーるほどね。 うん、いいわ。特にこの菜っ葉」

「それは、店員メルルの自慢のロメインレタスです。」

「うふふ。後でお礼言っておいて頂戴♪」

「はい、是非ともそうさせていただきます。メルルも喜びます。」

「ここのお店は何でも美味しくて安いから、人気があるでしょう?」

「そうですね‥‥でも、ちょっと隠れた所にあったり
 こうしてIRの方も来られるようになっている辺りから
 上位SCの方はあまり来ないという印象があります。」

私はそう言いながら、近くのテーブルで食事をしているIRをチラと見ます。
ミゲイルもつられて、チラとそちらを見て怪しげに笑いました。

「あらぁ、そうなの?会議には使うのにねぇ?」

ご尤もです。

「そうですね(苦笑)」

「もっと使えばいーのにっ」

「他の高級感溢れる喫茶の方が、性に合う方もいらっしゃいますし
 それに‥‥こう言っては何ですが、世間体を気にされているのかと‥‥」

「ここが貧乏くさいとでも思っているのかしらねっ?」

「1店員としては、そうは思いたくないのですが‥‥そうなのかも知れません。」

「ふうん。 改装とかは考えたりしてないのかしらん?」

「今の所無いみたいですよ。社長もこの雰囲気が好きだと言っていましたから。」

「ふうん‥‥。」

シーザーサラダの上に乗っているチーズの付いたクルトンを器用にすくいながら
どう考えたらそれを気にせるのかと考えるミゲイル。
でも、ミゲイルにはそれがやっぱり理解できないようでした。

大丈夫、私にも判りません。

「ワタシ、ちょっとあの子たちとお話してこようかしらっ?」

突然、ミゲイルが席を立ちます。

「行きますか?席は‥‥ああ、ありますね。」

「ええ、ちょっと行って来るわ♪」

ミゲイルは笑うと、空になったお皿を置いて
ジャスミンティーの入ったコップを持って
IRが談笑しているテーブル席へと歩いていきました。

IRは突然のミゲイルの登場に驚いていましたが
すぐに敵意が無いことを理解して受け入れていました。

この喫茶は、そういう所です。

客が客に危害を加えることは絶対に許されません。
(客が店員や用心棒に、店員が客や用心棒に、用心棒が店員や客にも当然ダメ)

もしもの時の為にいる用心棒たちはその為に居るものですし
従業員は私とリィンさんを除いて全員エナジーフィールド・改(札付き)持ちです。

誰も傷が付かないようにフィールドで防ぐので
結果的に店自体が傷つくこともありません。

‥‥まあ、店はフィールドを張らなくても傷つかないのですが。

1度だけ店内での戦闘を見たことがあるのですが
凄いとしかいいようがありませんでした。

それに、ソウルリンクが発動したこともあり
以来この支店と隣接している本店では事件が起こらなくなりました。

どうあがいてもあの店の店員たちには勝てない。

という噂が流れたほどです。
安心安全だよ。と、遠まわしに広めて貰っているということにしています。

私はミゲイルとIRたちを眺めながら
他のお客さんが注文していたものを用意していました。

「みんながこうやって仲が良ければいいのに‥‥」

できないのが、人間です。

最終段階一歩手前で品物を席まで持っていき
客の目の前で最後の仕上げをします。

「お皿の火が消えたらお召し上がり下さい」

懐かしき“焼氷”は、この世界にも伝わっていました。

作るのも見るのも、私はこの店に来てからが初めてでしたが
実際にやってみると面白いものです。

ふんわりと漂う、アルコール臭。

これは火で蒸発させてほぼ飛ばすので
食べる頃には香りくらいしか残っていません。
が、念のため未成年には出せない品物になっています。

冷たい上で揺れる炎に
頼んだお客さんや周囲にいたお客さんの視線は釘付けになっていました。





※気が向いたら挿絵、後で挿入します。
※フィクションです!フィクションです!くしゃみの効果音ではありません(
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